高校1年生の夏。雑誌『ボーイズライフ』(小学館・発行)の、創刊記念読者特派員として、私は、ロンドン⇒パリ⇒ローマを巡る旅を経験させてもらいました。1963年(昭和38年)、東京オリンピックの前年のことです。当時はまだ北回りの空路がなく、ロンドンまで南回りのPAN AM航空の世界一周便で参りました。当然羽田空港から出発です。往路は、東京→香港→サイゴン→バンコク→カルカッタ→ニューデリー→カラチ→テヘラン→ベイルート→フランクフルトと寄航しながらロンドンへ。その後、パリ、ローマを回って、復路はローマ→ベイルート……(実は復路の寄航地をほとんど覚えていません。ただ、往路で寄ったサイゴンは、ベトナム戦争のあおりでもう寄航することができなかったのは覚えています)。
復路で寄った、レバノンのベイルートでは、給油時間に余裕があり、市内まで往復するドライブを楽しみました。その時、この旅で唯一自分のために買った土産が「木彫りのラクダ」。以来、ラクダは私にとって特別な意味を持つ動物であり続けています。
その後、『ボーイズライフ』を発行していた小学館に勤務し、35年に亘る雑誌編集者生活の最後に創刊した雑誌のタイトルが『駱駝』。その前に編集長を務めていた雑誌『サライ』のシンボル・マークもラクダ……偶然で片づけられない縁を感じています。
そういう私が、出会ったり手に入れたりしたラクダを、このアルバムで紹介してまいります。ラクダのグッズは、今後、過去に手に入れたものも随時紹介していくつもりです。