先月(2007年10月)の26日、AppleのOSがバージョンアップして、全世界で発売になりました。Leopardというニックネームの新OS、快適です。進化し続けるApple、このところiPhone、iPod touch……と立て続けに新製品を投入してきているAppleですが、20年来のユーザーとしては、そのOSの素晴らしさが使い続けている原因です。
私がAppleのコンピュータを初めて手に入れたのは、1988年のことでした。『BE-PAL』の編集長時代のことです。知り合いのパソコン誌編集長のH氏(それ以前からMac遣いとしてつとに有名でした)が、当時小川町にあった同氏の勤務する出版社のパソコン誌編集部を見学させてくれたのが運の尽き(笑)。その当時すでにApple Talkを利用してDTP編集を行っていたその編集部で、彼がスタッフの原稿を画面上でチェックしていたのに衝撃を受けました。将来の雑誌編集はこうなるかも知れないと思ったのです。19年後にやっと実現しましたが、H氏の先見の明に今更ながら驚きます。
小川町からの帰り道、その頃はAppleComputerの代理店であった駿河台下のキヤノン・ゼロワン・ショップで、発売されて間も無いMacintosh SE 2floppy drive(確か512kBのROM)に1MBのメモリをつけたものを購入してしまいました。HD driveもついてないのに74万円という、当時の私には「清水の舞台」ほど高い買い物でした。以来、現在メインで使っているMac Proまで20台近いMacを使ってきました。現在のMac Proには、メモリを8GB、ハードディスクに至っては、なんと2TB(テラバイト、2000GB)を搭載しています。19年間の時の流れを感じます。なにしろ、1988年当時、ハードディスクの値段は、1MB=1万円が相場。後に初めて購入した外付け40MBのハードディスクは、40万円でした!
それでも、無理をしてローンを組まなかったおかげで、悔しい思いをせずに済みました。友人たちの多くがそうであったように、ローンを組んでPCを買ったために、ローンの返済額残高が、あとで発売された新機種よりも高いという悲劇を味わわなくて済んだのです。
高い買い物でしたが、それを後悔したことはありません。30歳で取得した自動車運転免許、40歳でオートバイの免許、そして41歳で手に入れたMac……いずれも、自分のライフスタイルの幅を大きく広げてくれました。現在はオートバイに乗る機会がほとんどありませんが、自動車とMacは私にとって欠かせない道具になっています。そのどちらかが欠けても、今の私はありません。
さて、わが社が、3年来の交渉と、タフな作業の末にOSレベルで辞書(国語辞典、英和・和英辞典)を提供するということが、やっと実現しました! 感無量です。標準搭載されるアプリケーションとして機能する『辞書』。アプリケーションの名前も日本語で『辞書』! Apple、なかなかやってくれます。『大辞泉』、『プログレッシブ英和・和英中辞典』、『類語例解辞典』と、Copyright 2006 Shogakukan Inc,のクレジットが表記されています。19年前、衝動買いをした頃は、Macに、自分の会社の辞書が標準搭載されるなどとは夢にも思いませんでした。『BE-PAL』の編集に携っていた私が、定年を前にして、デジタル/ネット・メディア系の仕事に携ることになるということも、想像だにいたしませんでした。それが、Appleとの契約書にサインする立場で関わることになるとは……
全世界で日本語OSを使う全てのAppleユーザーが、これらの辞書を使いこなしてくださることを祈っております。
今後、わが社の『西和中辞典』や『中国語辞典』が搭載されるといいいのですが……
↓Leopardに搭載の『辞書』アプリケーション画面と、小学館が提供した辞書群の写真はこちら
http://gallery.mac.com/iwamotosatoshi#100025
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