« 大阪の不思議 | トップページ | 避難はしご ユレーヌ »

2007年4月 1日 (日)

Range Rover 4.0SE Destinyとの辛い別れ

 Range_rover_40secolor

 3月10日、1999年4月16日から、約8年の長きに亘り、11万キロ近い道のりを、ぼくと一緒に過ごした、
1998年生まれのわが愛車レンジ・ローバーが、ついに、瀕死の重態に陥り、回復の見込みがないので、3月26日に、安楽死の道を選びました。
 症状は、まず、エンジンのオーバーヒートという警告ランプの点灯から始まりました。ボンネットを開けてみると、冷却水のリザーブ・タンクがほとんど空になっていました。最初は、ホースや接合部からの漏れで、冷却水が減少してオーバーヒートを起こしているものと考えましたが、冷却水を注ぎ足しても1日〜2日で空になるという異常さに、緊急入院(工場入庫)をさせたのです。
 医者(技術者)の見立ては、「おそらく、長期に亘る少量ずつの冷却水漏れと、エンジン自体のガスケット寿命が重なりエンジンのヘッド部に歪みが出ている可能性が高い。エンジンを分解してみないとはっきりしたことは言えないが、分解するだけで相当の工賃がかさみ、分解した結果が最悪の場合は、エンジンの交換ということになり、100万円を超す修理代となります」。

 原因は、心臓(エンジン)のトラブル。肺活量4000㏄のアメリカ生まれのタフな心臓でしたが、いわば心筋梗塞状態に陥り、臓器移植をして、適合性におびえながら余生を送るか、安楽死の道を選ぶか……二者択一を迫られたぼくは、涙をのんで安楽死の道を選ぶことにした。
 3月26日、入院先の板橋の工場に行って、遺品を引き取り、最後の記念写真を撮ってきました。(アルバム参照)

『Range Rover 4.0SE Destiny』
 デスティニーという愛称のついた特別仕様車だった彼との出会いは、まさに「運命的」なものがありました。自分の人生最後の相棒だと思って、50代のほとんどを彼と共に過ごしてきました。この別れは、ほんとうに辛いものがあります。
 長い間、「いつかはレンジ・ローバーに乗りたい」と思い続けてきた私に、「特別仕様車が、今なら好条件で提供できる」との話があったのは、1999年の年初、私が雑誌『ラピタ』の編集長時代のことでした。好条件とはいえ、それまで乗っていたパジェロの価格の2倍以上の価格……1か月ほど思い悩み、これも何かの縁と覚悟を決め、購入を決意しました。
 納車は1999年4月16日、その年の桜が散り、葉桜になりかけていた頃でした。
 特別仕様車は、『Destiny』という愛称が付けられおりました。排気量4ℓのV8/OHVのGM製エンジンを積んだ、レンジ・ローバーのラインナップでは最も低価格のSEというグレードの車がベースで、内装が上級クラス並みというもの。外観も通常のSEとは少し異なっておりました。
 乗り始めて、改めて感じたのは、その乗り心地の良さ。それまで3台のクロスカントリー型4WDのディーゼル車だったこともあり、エンジンの力強さも感動モノでした。そして、私が何よりも惚れたのはそのスタイルの良さ。当時登場した内外のクロスカントリー型4WDが、威圧感のある派手なスタイルを売り物にしているのに比べ、一見おとなしく見えるスタイルですが、どことなく気品のようなものを感じました。流行に左右されない、適度に角張ったデザインも好きでした。

 8年間、小さな故障や、走行中に前を行く車がはね上げた小石でフロントガラスが割れるという事故や、同じく走行中に路上の落下物を前輪が巻き上げてガソリン・タンクに孔が開くという事故も経験しましたが、一度として手放そうと思った事はありませんでした。
 昨年、3度目の車検を受けた時、「間もなく10万キロだ。20万キロまでは乗るぞ」と決意を新たにしたものです。それが、11万キロを待たずして別れることになろうとは……

 思えば、偶然とはいえ、購入直後にレンジ・ローバーの故郷イギリスのランド・ローバー社を訪ねる旅が実現し、夢のような1週間を過ごしたのも、何か「運命的」なものがありました。とにかく、満足度の高い車であったことは間違いありません。クルーズ・コントロールが、しょっちゅう効かなくなったり、内装の内張が高級と言われる車にしてはプアーで、数年前から、天井の内張が垂れ下がってきていたことが不満といえば不満でしたが、乗り心地やスタイルの満足度の高さと比べると微々たる不満でしかありませんでした。
 さすがに、ドライバーズ・シートのドア側近くはすり切れて、小さな孔が開いておりました。近いうちに、内張全体を貼り替え、いずれはドライバーズ・シートの革も貼り替えようと思っていたのです。

 買い替えなど、全く念頭になかったので、「致命傷です。どうぞ覚悟を……」と言われた時には、かなりショックでした。延命措置をとるか、安楽死を選ぶか、いずれにしても大金が要ることに変りありません。
 実は、昨年、最新型のレンジ・ローバーを数日間試乗させてもらった時、その進歩の度合いに驚きつつも、価格も手の出せないレベルになっており、デザインも旧型に比べると自分の好みではなくなっていたため、買い替えることはないと思ったものでした。
 今回、瀕死の状態でレンジ・ローバーを工場に預けた数日後、昨年登場したレンジ・ローバー・スポーツの最上級モデルである、スーパーチャージャー付き4.2ℓモデルを試乗のため数日間借りることができました。これは、上位車種のレンジ・ローバーに比べると一回り小さく、今まで乗っていた旧レンジ・ローバーに近い大きさです。おまけに、車体重量もかなり軽くなっています。そのボディを390馬力のエンジンで引っ張るわけですから、速くないわけがない。「スポーツ」という名にふさわしい、スパルタンなレンジ・ローバーでした。「ものすごい進歩だなあ」というのが正直な感想でしたが、買い替えるには余りにも高価格……レンジ・ローバーは、もう私の手には届かないところへ行ってしまったと思いました。
 そう思って、諦めかけていた矢先、「ディスカバリー3も、いい車なんですけどねぇ」という悪魔の囁き。今まで上位車種のレンジ・ローバーに乗ってきた私としては、もし買い替えるなら国産の、レンジ・ローバーとは全く発想の異なる車になるだろうと思い始めていたので、何か虚を突かれた思いがいたしました。

 さっそく、ごく短距離でしたが、その『ディスカバリー3』に試乗させてもらって、驚きました。以前のディスカバリーとは全然別物。レンジ・ローバーの進歩の具合にも驚きましたが、ディスカバリーの変身ぶりには度肝を抜かれたといってもいいでしょう。「7人乗りのレンジ・ローバーだ」という評価も、さもありなんと思いました。レンジ・ローバー・スポーツに比べ、乗り心地はディスカバリー3の方が旧レンジ・ローバーに近いものがあります。そして、旧レンジ・ローバーの最上位モデル並みに高くなった価格に相応しい内装も、新レンジ・ローバーに比べて遜色の無いレベルです。
「これなら、今までのレンジ・ローバーから乗り換えても、モチベーションは下がらない」と感じました。むしろ、動力性能的にも旧レンジ・ローバーよりも優っている部分が多いのです。(価格も優っておりますが……(-_-;))
 今まで乗っていた旧レンジ・ローバーは、エンジンがGM製の4.0ℓV8/OHVで、最高出力190PSに対し、DISCOVERY 3 HSEのエンジンは、ジャガー製4.4ℓV8/DOHCで最高出力299PSです。車両重量は500kgも旧レンジ・ローバーより重いのですが、出力もトルクも飛躍的に向上しているので、ストレスのない走りを楽しめそうだし、その重さは乗り心地の良さに繋がるはず。
 寸法的には、旧レンジ・ローバーよりも、全長が15cm長く、全幅が3cm、全高は8cm大きくなります。ホイールベースも10cm以上長くなり、最低地上高も5mm高い21.5cmです。
 
 レンジ・ローバーとの別れは、辛いものがありますが、次に乗る車も同じランド・ローバー社のものになりました。ボディ色もほとんど同じです。内容はともかく、デザイン的には同じ血筋の車、今は新しい出会いを楽しみに待っているところです。

 Range Rover 4.0SE Destiny、8年間、あなたと過ごした充実した幸せな時間を、ぼくは決して忘れません。どうか、ぼくの新しい相棒を温かい目で見守ってやってください。

|

« 大阪の不思議 | トップページ | 避難はしご ユレーヌ »

コメント

なんか読んでいて、とても辛くなりました。私もDestinyに乗っています。8ナンバー登録をしましたのでこの3月に3回目の車検を受けたばかりです。いつかは来るであろうレンジとの別れを擬似体験するかのようでした。幸い我が家は屋根つきのガレージ保管でオイルやフルード類に異常があれば床が汚れるため異変には気がつきやすいです。しかも8ナンバーのため最初から2年ごとの車検だったためトラブルの先手を打てたのかもしれません。参考になりました。ありがとう御座います。

投稿: toruchan | 2007年4月20日 (金) 09時28分

toruchan 様
 コメント、ありがとうございます。Destinyにお乗りですか!
私は、今でも、旧Range Roverこそがもっとも好みのデザイン
と思っています。私のように不慮の故障で別れることのないよ
うお祈りします。どうか、いつまでも大切に乗ってください。
ほんとに、いい車だと思います。
 押しつけがましくない気品あるデザインは、最高です。
岩本@DISCOVERY 3 HSEで余生を送ります
 

投稿: 岩本 敏 | 2007年5月 4日 (金) 20時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137257/14488771

この記事へのトラックバック一覧です: Range Rover 4.0SE Destinyとの辛い別れ:

» range roverが!!?? [range roverが!!??]
range roverがやはり好きなので、動画や記事など をまとめてみました!! [続きを読む]

受信: 2007年4月 8日 (日) 01時04分

» レンジローバー スポーツ [レンジローバー スポーツ]
レンジローバー スポーツ レンジローバー スポーツが正確に言うとかなり好きなので、動画や記事など をまとめてみました!! [続きを読む]

受信: 2007年4月 8日 (日) 10時03分

« 大阪の不思議 | トップページ | 避難はしご ユレーヌ »