2011.08.29

佐平次がこれほど似合う人も珍しい

2011年08月29日 人形町・日本橋社会教育会館

三遊亭兼好独演会 その24

人形町噺し問屋

三遊亭兼好   あいさつ
前座・山遊亭くま八『千早ふる』
三遊亭兼好   『紙入れ』

<仲入り>
伊藤夢葉    マジック
三遊亭兼好   『居残り佐平次』

 けっこう表情豊かというイメージのある兼好さんですが、意外と、思い浮かぶ表情は多くないのです。噺が巧みで、その愛嬌のある表情や仕草から、マイナスのイメージがないので、表情が豊かに見えるのかもしれません。
 その決して多くない表情の変化ですが、それがピタリとはまった噺の時には威力が爆発します。そのいい例が、この日の『居残り佐平次』でした。この噺を、まるで自分のために作られた噺のように見せてしまえる力が兼好さんの持ち味。
 本音がどこにあるか分からないけれど、表面上は異様に明るくて憎めない……という主人公の名前は、居残り兼好か!と思わせるほど違和感のない噺が聴けました。

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↑人形町で落語を聴くと、行き帰りにこんな風情の路地を歩くのが楽しいのです。

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2011.08.24

怪しい場所で怪しい寄席

2011年08月24日 下谷神社

第十怪
妖怪倶楽部

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柳家小太郎
柳家ほたる  ご挨拶
翁家和助    曲芸
柳家小太郎   『狐憑き』(創作)
ザシキワラシーズ ゆるコント

<仲入り>
柳家ほたる   『化物使い』
翁家和助
柳家小太郎   茶番

 下谷神社社務所の二階が会場。実はザシキワラシーズのひとりが、恩田えりさん。夏だし、怪談でも……と思っていたところに、えりさんからご案内があり、初めて下谷神社の社務所上の会場へ。もう10回もやっているんですね。なかなか楽しい会でした。それにしても、えりさん、マメに東奔西走、ほとんど休みのない生活のようで、ほとんど、可愛い妖怪みたいな人ですね。

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2011.08.23

今後が楽しみな遊馬、道の見えてきた白酒

2011年08月23日  半藏門・国立劇場小劇場

第518回
 TBS落語研究会

柳家喬之進   『仏馬』
三遊亭遊馬   『佐野山』
柳家喜多八   『死神』

<仲入り>
桃月庵白酒   『お化け長屋』
春風亭一朝   『淀五郎』

 久しぶりの遊馬さん、こんなに声質が良かったんだ、と再認識。話芸ですからね、悪声でも高座向きの声というのはあるし、耳に心地いい声質だと眠くなるし……どういう声がいい声と言えるのでしょうか。恐らく、大小に拘わらず良く通る声というのがあって、それが耳ざわりでないというのが高座向きの声なのでしょう。
 持って生まれたモノ(見かけや声)がいいというのは、落語家にとっては得ですね。そういう意味では遊馬の声は(稽古の賜でもあるのでしょうが)得してます。ただ、小声の時に聞き取りにくいところがありますが……
 そいう意味では、喜多八さんの声質、私は好きです。大小によって聞き取り易さに変わりがなく、強弱がありながら均質な声というのがいいですね。
 今回の(自分なりの)ヤマ場は、白酒の『お化け長屋』。トリの一朝師は演目が演目だけに、聴いている途中で緊張が途切れて最後には意識が遠のいておりました(笑)。

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2011.08.22

珍しい噺が聴けると嬉しくなります

2011年08月22日 人形町・日本橋劇場

第37回 人形町
らくだ亭 納涼公演
それぞれの徳兵衛

前座・春風亭朝呂久『権助魚』
鈴々舎馬るこ  『親子酒』
春風亭一朝   『植木のお化け』
五街道雲助
     『お初徳兵衛浮名桟橋』

<仲入り>
古今亭志ん輔  『船徳』

 久しぶりのらくだ亭。今回は、以前お世話になった方からの依頼で、その方の会社の方々に落語指南。まずは生の落語を楽しんでいただいて、その後食事をしながら、簡単に「落語の楽しみ方」についてお話するという趣向。
 そういう意味では、このややマニアックな出演者と演目に一抹の不安はありましたが、それは杞憂でした。皆さん大変喜んで下さり、ご案内した甲斐がありました。

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2011.08.17

異なるタイプの毒舌二人、まくらの応酬が楽しい

2011年08月17日 人形町・日本橋社会教育会館

通ごのみ
扇辰・白酒二人会

前座・入船亭辰じん『一目上がり』
入船亭扇辰   『麻のれん』
桃月庵白酒   『錦の袈裟』

<仲入り>
桃月庵白酒   『粗忽長屋』
入船亭扇辰   『三井の大黒』

 今回も、この二人の組合せの妙が生んだ毒舌の応酬でのっけから大爆笑。根多のバリエーションも素晴らしい。白酒のくすぐり、絶好調でした。

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2011.08.09

地味ではあっても、粋な企画に拍手

2011年08月09日 半藏門・国立演芸場

四代目春風亭柳好トリビュート
柳好十八番

前座・春風亭吉好『桃太郎』
春風亭柳好   『羽織の遊び』
柳亭市馬    『道具屋』
柳家喜多八   『お見立て』

<座談会>
瀧川鯉昇    『犬の目』
春風亭小柳枝  『青菜』

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「川崎の柳好」と呼ばれた四代目の春風亭柳好……私は、確かに聴いたという記憶がないのですが、プログラムの写真には見覚えがあります。今となっては、いつどこでどんな演目を聴いたのか定かではありません。
 その四代目柳好が「大好きという噺家が寄り集まって」(プログラムの草柳俊一氏の言葉)この会が開かれたということですが、当代の柳好から、直弟子の春風亭小柳枝師まで、個性的で人気実力を兼ね備えた出演者が揃いました。
 トリを務めた小柳枝師を、改めて「素敵な噺家さんだな」と思わせてくれた温かな落語会でした。この顔ぶれですものね。

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2011.08.08

今回も怪しい会場で、とびきりディープなライブに満足

2011年08月08日 新宿・ゴールデン街劇場

だるま食堂の冒険婦人
〜10コブの旅〜
9のコブ

 真夏にゴールデン街へ。この界隈に出入りしていたのは、もう40年近く前のことで、それ以来めったに足を踏み入れない場所ですが、だるま食堂のライブには相応しい環境と期待して出かけました。

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2011.07.30

喬太郎の真面目さが露呈する会

2011年07月30日 新宿・紀伊國屋ホール

喬太郎の
古典の風に吹かれて

〜昼の部〜

柳家小太郎   『やかん』
対談 : 喬太郎・小柳枝
柳家喬太郎   『粗忽長屋』
春風亭小柳枝  『船徳』

<仲入り>
柳家喬太郎   『寝床』

Rakugoza

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2011.07.29

白鳥の凄さを再認識した夜

2011年07月29日 新宿・紀伊國屋ホール

『白鳥・三三 両極端の会』
VOL.4

三遊亭白鳥
柳家三三    両極端トーク

柳家三三    『たちきり』
<仲入り>
三遊亭白鳥   『珍景累ヶ真打』

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 三三の『たちきり』……三三ならこれくらいは演るだろうという、すでにして期待が大きいだけに、大変です。一度上げたレベルは、客の期待に応えるという意味で元には戻せません。より高みを目指すしかないのです。大変だろうと思います。
 対して白鳥です。いやはや、大変なことになりました。元々、才能の豊かな人だとは思っておりましたが、この根多おろし新作『珍景……』は一段と凄かった! ほんとうに両極端の会の名にふさわしい両極端ぶりでした。ミミちゃんこと三三の姿を借りて、万華鏡のような落語会裏話が、数々の仕掛けを収束する形で大団円。「他では演れない根多」と、白鳥も三三も言っていましたが、実名を抑えてディテールを変えれば大爆笑噺として残り得るはず。というか、年ごとにバージョン・アップして続けて欲しい。

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2011.07.26

ホール落語も、ここまで来ると考えものですね

2011年07月26日 松戸・森のホール21

柳家小三治独演会

柳家〆治    『お菊の皿』
柳家小三治   『金明竹』

<仲入り>
柳家小三治   『あくび指南』

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 小三治師もまくらで面白可笑しく触れていましたが、「会場が大きすぎる」。3階席まで入れるとおよそ2000席!(もっとも、この日客を入れていたのは1階だけのようでしたから、1200くらいか……)

 新しいホールで、私の席も中央、前から4列目という最高の席だったので、とても聴きやすくてその点での不満があったわけではないのですが、「落語を演る、落語を聴く」という雰囲気としてはどうですかね。
 確かに、今、もっとも客の呼べる落語家の筆頭ですから、主催者は3800円でもチケット完売……と踏んだのでしょう。私が主催者でもそう考えたくなります。その通りでした。もっとも、2階席、3階席まで売らなかったのは、主催者の良心?
 会場がどんなに大きくても、小三治師の高座は、細やかな芸が大雑把になるということのない安心感があります。そのあたりは、ほんとうにいつもながら、凄い芸だと思います。ただ、こういう落語会の数が増えると、さりげなくいつもと変わらぬ高座にするための演者の側の高い技量と客にそうと感じさせない気力と体力が必要なはず、大丈夫でしょうか。
 落語は、たった一人で高座に上がり、座ったままで世界を作り上げる話芸です。『笑点』が落語だと思われている向きがあるように、大ホールを一人で満員にしてしまうのが落語だと思われてしまうのは、どうなんでしょうかね。恐らく師匠にとっても本望ではないはずです。
 難しい問題ですね。

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