2011.04.28

新作と古典なんて分け方が無意味なことを実証する昇太の高座

2011年04月28日 半藏門・国立劇場小劇場

第514回 落語研究会

古今亭菊六   『あくび指南』
柳家三三    『おしくら』
柳亭市馬    『厩火事』

<仲入り>
春風亭昇太   『人生が二度あれば』
柳家小満ん   『中村仲蔵』

 いかにも、TBS落語研究会らしい顔ぶれと演目。昇太さんの『人生が二度あれば』は、こういう会場で聴くと、なかなかいいもんです。客層が客層ですからね(細かく説明はしませんが、(笑))。

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2011.04.27

自在な脚色、弛まざる探求心

2011年04月27日 新橋・内幸町ホール

真一文字の会
春風亭一之輔勉強会

春風亭朝呂久  『ざるや』
春風亭一之輔  『野ざらし』
春風亭一之輔  『蛙茶番』

<仲入り>
春風亭一之輔  『三方一両損』

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2011.04.22

安心して聴ける落語家の筆頭と、聴いてて不安になる落語家

2011年04月22日  大手町・日経ホール

大手町落語会スペシャル
立川志の輔独演会

前座・立川志のぽん『初天神』
立川志の輔   『異議なし!』

<仲入り>
松永鉄九郎   三味線
立川志の輔   『茶の湯』

 志のぽんの高座を聴いて、「おいおい、大丈夫か……」と思ったのは私だけではないはず。真打ちへの道が、他の団体よりも厳しいことで知られる立川流にあっては、前座といえども、他の団体なら真打ちが張れそうな逸材がいる一方、おそらくまだ修行が始まったばかりの志のぽん、大きな高座の経験も少ないのでしょう、大学落研レベルの高座で、大いに不安感を募らせてくれました(笑)。
 師匠、志の輔師も、高座につくなり「稽古を観ていただいて、ありがとうございます」というような言葉で、「まだ人前に出すのは早すぎるのですが」的ニュアンスを伝えてくれました。ま、それもご愛嬌ということで……
 もう10年ほど前から、初めて生の落語を聞きたいという人には、「東の志の輔、西の文珍なら間違いないから……」と勧めてきた私です。それくらい、志の輔師の高座は安定しているし、期待を裏切るということがありません。「東の志の輔、西の文珍」とずっと言い続けてきた理由は、実は「上手い」とか「テレビでお馴染み」とかというようなことだけではないのです。
 志の輔師も文珍師も、古典、新作というようなあまり意味のないジャンル分けに拘らず、古くから語り継がれた噺に新しい演出で息を吹き込み、自作の噺ではやがて語り継がれるに違いないと思わせる完成度の高いものを常に提供し続けているという、まさに脂ののった芸を見せてくれるので、初めて聞く人にも落語の面白さが存分に伝わるのです。それにお二人とも、そのサービス精神には定評があります。
 今回も、その見本のような会になりました。自作の噺と、お馴染みの古典根多。そこには、新作とか古典とかという区別もなく、ゲストの鉄九郎の三味線も全く違和感なく志の輔ワールドに溶け込んでいました。
 さすが、です。いつもそう思うのですが、やっぱり大したものです。

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2011.04.18

気になる落語家の独演会

2011年04月18日 
人形町・日本橋社会教育会館ホール

62回
桂平治独演会

春風亭昇也   『子褒め』
瀧川鯉橋    『厩火事』
桂平治     『禁酒番屋』

<仲入り>
柳家喬太郎   『錦の袈裟』
桂平治     『お血脈〜仏教伝来』

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 平治さんの師匠、十代目桂文治師がまだ桂伸治だったころ、母校の大学祭に出演していただいた。私は主催者(落研)の新入生として伸治師を会場へ案内する役目だったと記憶しています。ですから、平治師のことが気になるのです。平治さんはいい迷惑でしょうが、縁というものはそういうものです。

 私は、文治師の『禁酒番屋』が大好きでした。確か、私が最後に聴いた文治師の高座も『禁酒番屋』だったはず。文治師は、平治さんにいわせると、「1メートルくらいしかなかった」(笑)小さな方だったので、大柄の平治さんが演る『禁酒番屋』は迫力が倍くらいになっているように感じてしまいます。
 ゲストに迎えた喬太郎さんが『錦の袈裟』でしたから、もう、ずっと笑い続けでした。平治さんの落語を聴いていると、つくづく「理屈抜きの笑い、可笑しさ」っていいものだと思えてきます。その雰囲気を壊さないで間を埋めた喬太郎さんの「場を読むセンス」にも脱帽です。

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2011.04.14

かもだる田って、いったい何? という好奇心に抗えず

2011年04月14日 下北沢・しもきた空間リバティー

第1回かもだる田公演
かもだる田 バラエチー
花の精

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 チラシを見てもよくわからない。とにかく、私が追いかけている<だるま食堂>が出演するので、面白くないわけがないという思い込みで、ついチケットを買ってしまったのですが、その内容はまったく予想がつかないまま、下北沢へ。
 チラシの裏には、次のように説明されていました。
 「かもだる田」とは、オリジナル創作集団「かもねぎショット」と、コントグループ「だるま食堂」と、女優「多田慶子」が一緒に何かを創り公演するときの名前。
 それにしてもよくわかりません。だるま食堂は知っていますが、かもねぎショットという三人組と、多田慶子という女優さんのこと、全く知りません。
 しかし、行ってみるものですね、むちゃくちゃ楽しく面白かったです。女性ばかりの、スケールUPしたコント、笑演劇とでもいうべきもの。ジャンルなんてどうでもいいんです、楽しければ……そんな感じのエンターテインメントです。観た後でも、実はよくわからん(笑)!

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2011.04.09

昨日の今日では、権太楼師やはり噺は無理とのことで……

2011年04月09日 大手町・日経ホール

再臨 ザ・柳家!II
第六回 
大手町落語会

柳家権太楼   挨拶
柳家三三    『岸柳島』
柳亭市馬    『厩火事』

<仲入り>
柳家花緑    『蜘蛛駕籠』
柳家さん喬   『百川』

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 柳家の会とあっては、権太楼師の代演は、盟友ともいえるさん喬師ということになるのでしょう。昨夜も、そうでしたが、冒頭に権太楼師は挨拶のため高座に出てこられた。声は通るのだが、マスクをしていなくてはならないということで、落語は無理とのこと。
 三三、市馬、花緑……とくれば、やはり、権太楼、さん喬のどちらかは欠かせないですね。さん喬師の『百川』絶品でした。
 心なしか、三三、市馬、花緑のお三方の高座も力が入っていたように思います。さすが、柳家一門の層の厚さを感じます。

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2011.04.08

権太楼師が病状説明で高座へ。代演は鯉昇師

2011年04月08日 水天宮前・日本橋劇場

長講三人の会

柳家小権太   『たらちね』
柳家権太楼   ご挨拶
昔昔亭桃太郎  『唖の釣り』
瀧川鯉昇    『千早ふる』

<仲入り>
柳家さん喬   『井戸の茶碗』

 本来は、さん喬・権太楼・桃太郎の三人会ですが、今回は、病み上がりで体調が万全ではない権太楼師に代わり、鯉昇さんが代演。前座のあと、権太楼師自ら高座に上がって病状を説明。真面目で礼儀を重んじる権太楼師らしい振る舞いでしたが、今は無理をされない方が……とはらはらしながら思いました。

 権太楼師の分までという思いが共通していたのか、桃太郎師も、代演の鯉昇師もその持ち味を存分に活かして大爆笑を誘い、さん喬師はさん喬師で、いかにも師匠らしい『井戸の茶碗』で満員の客を充分に満足させたのでした。いい会でした。

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2011.04.07

稲葉守治という人がいた(らしい)……その追善公演

2011年04月07日 水天宮前・日本橋劇場

稲葉守治三回忌追善公演
若手研精会OB連落語会
昔若庵

入船亭辰じん  『小町』
柳亭こみち   『元犬』
三笑亭夢吉   『あたま山』
春風亭一之輔  『茶の湯』
桂平治     『お血脈(序)』

<仲入り>
柳家三三    『花見の仇討』
三遊亭小遊三  『蛙茶番』

 今ではほとんど聞かない、落語の「お旦」、二つ目のパトロンとして長年研精会を主催してきたのが稲葉守治という方。その尊敬すべき方の三回忌追善公演という触れ込みのこの会、OBである平治さん、三三さん、小遊三師……という顔ぶれを見ると、大した方だったことが想像できます。
 落語ファンが高じると、席亭をやってみたいという思いに駆られるのですが、私の場合は、たかだか二年だけの席亭でしたが、稲葉さんという方はその十倍以上の年月、二つ目に勉強の機会を与え続けた方でした。奇特な方だったんだという思いと、一方で羨ましくもあります。

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2011.04.04

市馬、白酒、兼好……って、すごい顔付け!

2011年04月04日 人形町・日本橋社会教育会館

日本橋夜のひとり噺 第II期
【第十二夜】春の四人ばなし


前座・入船亭辰じん『手紙無筆』
鈴々舎風車   『看板のピン』
桃月庵白酒   『幾代餅』

<仲入り>
三遊亭兼好   『粗忽の釘』
柳亭市馬    『笠碁』

 会のタイトルに「春の四人ばなし」とありますが、風車さんの『看板のピン』のできからすると、「三人ばなし」じゃないでしょうかね。それくらい、白酒さん以降は別の次元という感じです。レベルが違います。
 ぐんぐん新境地を開拓し続ける白酒さん、レベルを維持しつつ新境地をどこに求めるか高い次元で模索中の兼好さん、そして、一段と大物感の増した市馬師……素晴らしい組合せに充実の時間を過ごさせてもらいました。

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2011.03.31

バラエティに富んだ顔ぶれ年度末落語研究会

2011年03月31日 半藏門・国立劇場小劇場

第513回
落語研究会

立川志の吉   『松竹梅』
三遊亭鬼丸   『猿後家』
古今亭志ん橋  『搗屋幸兵衛』

<仲入り>
橘家圓太郎   『羽織の遊び』
柳家小三治   『猫の災難』

 なんだか、いつも以上に眠い会でした(笑)。この顔ぶれだと、志の吉さんを除けば、末廣亭のプログラムだと言っても不思議ではない組合せです。ただし、それぞれの演者がたっぷり話すところが定席とは異なります。それがこの落語研究会のいいところでもあり、時に「Too Much」と感じるところでもあります。

 演者はともかく、演目に関しては聞いた端から忘れていく傾向の強い私(歳のせいばかりではなさそうですが)なので、後で、同じ落語会へ行かれた他所様のブログを拝見して記憶の確認をすることがままあります。そういう時、「この方は、あの落語でこんな印象を持ったんだ!」という新鮮な驚きを感じることもあれば、「え〜、それは違うでしょう。そんなに斜に構えて聞いていても楽しくないんじゃないですか?」とツッコミたくなることもあります。
 読んでいて余り気分がよくないのは、こき下ろすために書いているようなブログ。「褒めすぎと違うか?」という方が、まだまし。せっかく聴きにいったのに、愚痴ばかりの感想が書かれていると、もったいないなあと思います。
 あ、その人はそれが楽しいのかも知れないなと今気づきました。人それぞれですからね、私のように何を聴いても、基本的に楽しいなぁと思うのも根は同じかも。時間の無駄だったなぁと思うことはほとんどありません。お目当てがあって出かけていく落語会が多いので、ふらりと入った定席とは「当たり外れの率が違う」のでしょう。

 トリの小三治師、何度か聴いたことのある『猫の災難』ですが、マクラも本編もたっぷりで、50分くらいの長〜い高座でした。そのマクラで、最近携帯に入ってくるスパム・メールの話がなかなか面白かったのですが、エロ・メールの中に「おっぱいなめて」というのがあって、びっくりしたというエピソード。まさか、師の口から「おっぱいなめて」などという台詞が出てくるとは思わず、あははは……と戸惑いながら笑っている人が多い客席。私もそのひとり。
 ところが、ある人のブログを読ませていただいてびっくり。この「おっぱいなめて」のエピソードは、『猫の災難』の本編の中、こぼれた酒を「いっぱいなめて」に掛かっていたという指摘、びっくりしました。そんなこと、思いもしなかったというか、気づかなかった。小三治師がそこまでの振りを計算していたとは……ほんとうかなと思う一方で、そういうところまできちんと聴いている人もいるんだと感心しました。

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